食べることに思いを馳せた昼下がり

休日の昼下がりのことです。洋服を収納しているクローゼットの中から一冊の本を見つけました。ハンガーに掛かった洋服の下に立てかけられていた幾つかの本の中から手にとったのは、「食事」について書かれた作品でした。昔よく読んでいたライフスタイルの雑誌の人気コーナーをまとめたもので、ページをめくっていたら懐かしさを感じたものです。
この書籍はクリエイターや主婦、OL達の日々の食事を写真と短い文章で綴ったもので、「人の数だけご飯の楽しみ方がある」と思わせてくれる作品でもあります。住む場所や仕事によってライフスタイルは異なること、それと同様に「食べること」もまた色濃く価値観が反映されていると思いました。
特に印象に残っているのは海のある町で漁師を営む家族の夕飯でした。新鮮な刺身がお皿にたっぷりと盛られた写真はとてもインパクトがあり、自然の恵みがもたらす素晴らしさを感慨深く感じました。そしてこうした一枚一枚の写真から「自分にとって食事とは何なのか」という漠然とした疑問がふと頭に浮かんだのでした。考えてみたところ、私にとってかけがえのないことであり美味しいものを貪欲に楽しむことは生き甲斐でもあるという答えがでました。
穏やかな休日の午後に手にした本は、よき気付きを与えてくれました。またその日の夕飯はとびっきりの献立になったことは言うまでもありません。