新しい好きなことに出会うこと

高校時代に出会ったバンドのCDを聴いた瞬間、衝動を覚えました。それはパンクと呼ばれる音楽でした。この世の粋も甘いも知らずに生きてきた私はパンクを聴いた時、すごいものに出会ったと感じたのでした。それからというもの、友人と学校の帰りに中古レコード店に寄り、CDや雑誌を購入したのを覚えています。その頃様々なジャンルの音楽雑誌が発売されていて、未知のジャンル知りたかった私はそれらを食い入るように読んだものです。ミュージシャンがどんなことを考え、どんな風に曲を作ったかを知ることはよい勉強になると供にアーティストを身近に感じる手段でもあったのだと思います。そんな心を突き抜けた衝動はそれから先、何度か経験することになるのですが、いつもまるで初恋をしたように心がパッと明るくなったことを覚えています。そしていつでもCDなどの媒体を通して作品を聴いて、そのミュージシャンについて書かれた雑誌を読んで音楽を身近に感じてきました。あれから時が経った今でも、こうしてたくさんの作品に触れてきた事は私の人生の大きな宝物だと感じています。年齢を重ねて胸を打つような衝動に出会うことも少なくなりましたが、時折学生の頃のような強い思いに駆られることがあります。こうした気持ちは新しい世界に足を踏み入れたような感覚を覚え、ワクワクしたとても前向きな気持ちになるものです。そしていつまでも新しいことを貪欲に受け入れる心を持っていたいと思うのです。これから先も音楽のみならず小説やエッセイなど電撃的な出会いがある事を楽しみに生きてゆきたいものです。