小説を読んでいたらプリンアラモードが出てきました。山に囲まれた少ない人口の村にある唯一のケーキ屋さんのショーウインドーにこのスイーツが並んでいる光景が描かれていたのです。いい具合に絡んだ香ばしいキャラメルソースと可愛らしく盛り付けられたサクランボなどの果物とホイップされた生クリームのイマジネーションはどんどんと膨らんでいきました。ケーキ屋さんに行くと他のケーキを購入することが多いため、あまり気に掛けることが無かった商品でしたが、この小説を読んだ時元祖プリンアラモードを提供する老舗ホテルのことが鮮明に記憶の中を駆け巡ったのでした。それを知ったのは定食屋さんについてのエッセイ集でした。定食好きの筆者が調べ上げて足を運んだ店を紹介した書籍で一時期よく読んでいたものです。このエッセイに港町にある歴史あるホテルのレストランが掲載されていました。ここはプリンアラモード発祥の地でもあるそうです。白いお皿に盛られたそのスイーツの写真を見た時、生きている間に一度は食べたいものとして心に刻んだのでした。あれから年月が経ちましたが記憶の奥底にしっかりと焼き付いていたようで、プリンアラモードへのまっすぐな気持ちは今でも健在です。そしていつかこの港町を訪れた時に高級感溢れるレストランであの可愛らしいスイーツを堪能しようと誓ったのでした。