憂鬱な気分を一新してくれた本

雨がしとしとと降る朝の満員電車は憂鬱な気分になるものです。先日、人でごった返す電車に乗って出掛けることになりました。家から最寄りの駅までは何とか持ちこたえていたのですが、電車に乗ってふと外を見た時、大きな雨粒が窓を水玉模様に染めていました。しかしながら車内の空いたスペースに身を寄せ読書をしていたこともあり、この時間は意外にも有意義なものになったのでした。その時読んでいた本は、「女のしくじり」について記した作品でした。著者のユーモア溢れる文体と言葉が本当に面白くて、思わず一人含み笑いしてしまいました。この書籍の共感できることは著者の友人達を例に挙げて数々の失敗談を披露しているところだと思います。また飲み会や合コンの席での数々のしくじりは、ユニークでどこか共感してしまうところも多々ありました。そして女同士の辛口な会話もまた、私のツボでもあったのでした。そんな辛辣な内容ながらにも、最後の章では男の人に好かれることだけを考えずに自分らしさを持ちながら素敵な恋愛をすることの重要さが書かれており、何だかホロっとしたものです。何はともあれ、男女の関係も友情関係も相手に対しての気遣いを持つことで開けてゆくのだと感じたのでした。憂鬱さにやられてしまいそうな一日の始まりも、こんな書籍を読めば心は晴れるものです。独自の視点を持ちつつもユーモアたっぷりな著者が描く作品からは「ちょっとやそっとのことでくよくよしていられない」と思えてきます。そんなモチベーションでいれば、心にかかる雨雲も遥か遠くへ投げ打つことができるような気がします。朝から素敵な作品を読む事ができたことで、この日一日軽やかな気分で過ごすことができました。