雹が降った日

あれは数カ月前の風の強い日でした。午前中はほどよく過ごしやすい気候だったのですが、午後になって天候が荒れ始め、地鳴りにも似た風の音がビュウビュウゴウゴウと凄まじかった日でした。
朝があまりにもいい天気だったので、天気予報もろくに確認せずに出掛けた私は、洗濯物を干しっぱなしにしていました。帰る頃には雹が降り始めており、慌てて帰宅すると、物干し竿にぐるぐると巻きつけられたようになってしまったタオルだとか、お隣のフェンスに引っかかったシャツだとかの対応に追われることになりました。よそ様のお宅に自分の家の洗濯物を引き取りに行くのは、非常に恥ずかしかったです……。下着でなかったのが不幸中の幸いでした。以来、出掛けにはたとえどんな天気だろうと予報を確認する癖が付きました。
どうも私は、どんな失敗をしても忘れた頃にやらかしてしまうことが多いのですが、強烈な「恥ずかしい」という気持ちが伴うと、その限りではないようです。
先日も、うちの地方ではそのような空模様だったのですが、1度失敗して学習したおかげで、難を逃れることが出来ました。帰宅した後、氷の粒が地面に弾ける音を聞きながら小説を読む余裕さえありました。安全な場所で落ち着いているからこそ感じられる情緒というものがありますね。怪我の功名、というものでしょうか。出来れば恥を掻く前に知りたかったことではありますが(笑)。