兼ねてから行ってみたかった洋菓子屋を訪れた時のことです。季節は秋に差し掛かる頃ということもあり、期間限定のマロンケーキが売られていて購入しました。夏に訪れた時はレモンケーキが売られていてこれにも惹かれたのですが、その日は購入を諦めたこともあり念願のスイーツを買うことが出来たことが嬉しかったことを覚えています。レジで支払いをしていたら、小さな紙袋に品物を入れてくれました。この袋は手作り感が満載で、まるでクレヨンで書いたような家のイラストにお店のロゴがプリントされていました。店員さんが施した包み方もキュートで女心を鷲掴みにしたのでした。
あれから年月が経ち、部屋の棚を整理していたら偶然にもマロンケーキを入れてくれた紙袋が出てきました。暮らしについて書かれた雑誌などに掲載されるお店の包み紙特集がお気に入りということもあり、引き出しの奥の方に幾つもの紙袋を収納するくせがあります。これらは部屋の片付けをしているといつも突然私の前に姿を現すことも多く、心をホッコリさせてくれるものです。そんな宝物を見つけたような感覚が嬉しくてついつい棚に入れてしまうようになりました。この日も美味しかったマロンケーキを思い出し、懐かしくも至福の時間を味わいました。また美味しいスイーツを購入するため、あのお店がある街に行くことを計画し始めました。