終わってしまったシリーズ小説

大好きだった恋愛小説のシリーズが完結してしまいました。かなり長期にわたるものだったので、完結の感動よりも「終わってしまった……」という喪失感の方が先に立って、寂しくなってしまいました。前はあんなに続刊が待ち遠しかったのに……早く幸福なエンディングを迎えた彼らの姿を見たくてたまらなかったのに……。
「今後は短編集などでその後の彼らの様子を垣間見ることが出来るでしょう」と後書きでその小説家さんはおっしゃっていたのですが、その発売が今から待ち遠しいような、怖いような気がしてなりません。何でしょう、まだ終わらせたくない、終わってほしくない、という気持ちが強いようです。「その後」を目にしてしまったら、本編はもう終わってしまった、と強く意識せざるを得ないからでしょう。
ともあれ、雑誌で連載していたのをふと美容院で目にし、すっかり惚れ込んでから約○年、本当に楽しませてもらいました。大人なのに子供っぽい、泥臭い登場人物たちの、一筋縄ではいかない恋愛模様。甘酸っぱさよりもほろ苦さを感じさせられることが多くて、読むのが苦痛になったこともありました。
今後しばらくはこの小説ばっかり読んでいるような気がします。……某ハイ・ファンタジーみたいに、終わったと思ったら十数年後に復活することを少し期待してしまっています。