お部屋の模様替えのお駄賃はユニークすぎる単行本

先日友達から頂いた小説を読みました。それはお部屋の模様替えを機に不要なものを整理するお手伝いしたお礼として何冊かの単行本を頂いた中の一冊です。部屋の本棚に入れておきつつもなかなか読む機会がなく、あれから半年ほど過ぎてからページを開いたのでした。大の短編小説好きでもあり、彼のコレクションする短編集は面白くかつ濃厚なストーリーが胸に残るものが多いです。そのため彼のレコメンドは、本を選ぶ時にとても役立っているのです。しかしながら先日頂いた単行本は短編ではなく長編だったことに驚きつつも、ユニークで斬新な物語は一度ページを開いたら最後、ノンストップで完読してしたのでした。この作品には人間の他に幽霊や素敵なデザインのしゃべる眼鏡も登場します。どのキャラクターも物語の重要なキャラクターのため、とても不思議な世界に迷い込んだような錯覚を起こさせてくれるのも魅力だと思いました。特に眼鏡は夜になると人間の姿に変化することが出来て、紳士でお洒落で涙もろい白人男性として君臨するところは、何ともあっぱれでした。また幽霊の少年は消え入りそうな程に影が薄いのですが、ラストシーンに主人公と色濃く関わるためストーリーには無くてはならない存在になっていました。完読し終えた時には、彼らと別れることが寂しく思ったほどに心をギュッと掴まれたこの小説は私のお気に入りとして棚にしまってあるのでした。