心地よい風と静けさは格別な時間

ある晴れた日の夕方のことです。まだ傾き始めた太陽が元気に照らしていて、外はゆるやかな日差しが注いでいました。私は部屋で一人本を読みながら、窓から入ってくる風の心地よさに身を任せるようにうとうとしていました。居眠りからふと目を覚ました時、あまりの静けさに自分がいるところが何処か分からない錯覚に陥ったものです。普段は子供が遊ぶ声や近所の人々が犬の散歩をしながら井戸端会議をしている声で活気がみなぎっているのですが、車が走る音と干しているタオルを止めている洗濯バサミが風で揺れる音以外は聞こえてこない不思議な時間でした。まるで時が止まってしまったような、異次元の空間にいるような感覚が脳裏に焼き付いています。そして目が覚めて読書を再開した頃、どこからともなくコーヒーのいい香りが漂ってきてこの世に私以外の人がいることを覚え、ちょっと安心感を覚えたものです。その後私も苦くて美味しいコーヒーが無性に飲みたくなり、大きなマグカップに並々とコーヒーを入れて味わいながら飲みました。
心地よい空間でゆっくりと静かに読書をすると、とても集中して本を読むことができるものです。そして私はこうした時間をとても気に入っています。友人や家族と語らいながら食事をすることやワイワイお酒を飲むのも本当に楽しいことですが、静寂と風の音を感じながらゆっくりと部屋で過ごすことも私の人生には必要なのだと感じます。そのお供にはやはり本が必需品です。

自分の全てを受け入れる大切さ

先日とても興味深い本を読みました。それは自分らしい生き方とは何かを子育てを通して書かれた作品です。アメリカの心理学者などの作品に登場する言葉達を挙げながらとても丁寧に分かりやすく表現されており、現代を生きる私達にとって知っておきたいことが山ほど詰まった本でした。中でも印象に残っているのは、成長過程で親が子供に対して嫉妬をすることや思うようにさせるために働きかけることは大人になった時の性格に多大なる影響を及ぼすということです。様々な事例を挙げながら記されている内容からは今まで経験した良い事、悪い事を受け止めて整理する方法を得ることにも繋がります。こうして一つずつ心を整理しながら自分の好きなところも嫌いなところも受け入れることがまず一歩だということ、そして肯定的になることがポイントだということを知りました。嫌いなところと向き合うことは少々辛いことかもしれませんが、それを受け入れることは人にも寛大になれるというのはとても納得でした。また誰しも欠点はあるものですしそこを目ざとく気にしていたら恐らく誰のことも愛せないと思います。誰かを愛するということはその人の全てを受け入れることなのだということを改めて考えさせられたものです。
よい人間関係とはお互い自立して認め合うことだと思います。また依存しすぎず他者の考えを尊重することは自分の価値観や考え方も広がるのではないでしょうか。私もこの書籍で学んだことをもっと噛み砕いて肩の力を抜いて生きて行けたらいいと感じています。

心から魅了されたペルー出身の写真家の作品

日本の真裏に位置する南米に対して以前から興味がありました。それはアルゼンチン出身の作家の小説を読んだことや雑誌のグラビアなどで観た美しい写真がきっかけでした。それからというもの南アメリカへの関心は日ごとに膨らんで行きました。そしてラジオ番組を通じて日本で初めて開催されたペルー出身の写真家の展覧会を知り、会場を訪れることができたのです。このフォトグラファーはもう亡くなっていますが、世界的にとても注目されており各国の美術館で展示会が開催されるほどです。飾られていたモノクロの写真からは、風景や人物の力強さと美しさや生命力を感じ、世界中の人々が魅了された理由を納得したものです。あれから月日は経ちましたが今でも会場で観た作品達は脳裏にしっかりと焼き付いています。また会場にはこの写真家の作品集も並べられており、今まで目にすることがなかったシロモノだけに私もじっくりとページをめくりました。中にはカラーのものもあり、モノクロとはまた違った光景を観ることができました。また書籍を通してペルーという国を知る事ができたことも、とてもよい時間だったと感じます。
ちなみにこの日は展覧会が開かれている会場に行くのに迷ってしまい、道行く人達に聞きながらやっとの思いで到着しました。まるで冒険家がペルーの秘境を巡る旅をしているみたいだと思わず笑みがこぼれたものです。そんな大げさな話ではありませんが、迷いながら時間を費やして行った甲斐がありました。いつかまた、このアーティストの作品に出会える日が訪れることを心から願っています。

知って得する禅の教え

最近思うことに、知るという事は生きることに幅を持たせることができるということです。よき知恵を持つことは、困難にぶち当たった時よい助けになるからです。
以前読んだ本に書かれていた「禅の教え」は生きやすくするための知恵を与えてくれました。この本は兼ねてからファンであるお坊さんが執筆したもので、「禅の言葉」を通して豊かに自分らしく生きるためのアドバイスが書かれています。生きるということは辛い事も苦しいこともあり、幸せで楽しいことばかりではありません。そして嫌な事を目の前にした時、そこから逃げてばかりもいられないものです。ではどのようにしたらよいかと考えた時に、起こったことを真摯に捉えどのように解決するかを考えることが大切だと思うのです。そのためには「思考の転換」をすることが大きなカギになるのではないでしょうか。執着しすぎず臨機応変に受け止めることをこの本は教えてくれました。
私のお気に入りの禅の言葉に「日日是好日」があります。読み方は「にちにちこれこうにち」と読むそうです。良い事ばかりではないけれどその時でなければ出来ない体験をして経験を積むからこそすべてが「好日」だという意味だそうです。これから先の未来にどんな境遇が待ち受けているかは分かりませんが、この言葉はきっと私の糧になると感じています。

南の島の生活から得る幸せ

のんびりとした気分を味わいたい時に読む本があります。その書籍は南の島でのゆるやかな生活について書かれたものです。ブックストアで青い海を連想させるような表紙を目にした時、「これだ」と思い購入しました。私は少々疲れていたこともあり、この本を読むとちょっと元気になれそうだと感じたことを覚えています。その期待は見事的中しペラペラとページをめくって写真を眺めているだけで、とても幸せな気持ちを味わうことができることに気付きました。またそこで暮らす人々が作った陶器や織物からは、島でのゆったりとした生活を知る事ができて、製作者の気持ちを垣間見ることもしばしばです。
この作品が私の大切な存在になった頃、いつかここを訪れて何もしないでただただ海を眺めていたいと思うようになりました。そんな休日はせわしない現代人にとって、とても贅沢なことなのではないでしょうか。またその土地で取れた野菜たっぷりの美味しいお料理を食べて、体の中から元気になりたいという思いで心がいっぱいになります。
そしていつしか本を読み進めるうちに、今の自分の暮らしにも役立つことがたくさん書かれていることに気付きました。それは日々軽やかにお気に入りや好きなことを取り入れることで、気持ちいい時間を送ることができるということでした。この本に載っている土地に足を運ぶことが出来なくても、この作品を読んでいる時に味わう幸せがあればそれだけで充分な気がするのです。

友がいる幸せ

女友達とよい関係を長く続けることの秘訣とはなんでしょうか。生きてゆく中で同性との関係を良好に築いてゆくことの難しさに今まで幾度となく直面してきました。歩み寄れなくて疎遠になってしまったり、よい距離感が取れずに悩んだりといった経験でした。しかしながら、自立した良好な関係を長年続けている友達もいます。先日も彼女とカフェでコーヒー1杯飲みながら3時間以上話をしました。お互いの近況や家族のこと今自分の身に起きていることなどが話題に登り、意見の違いから討論になったり、考え方に共感したりと、とても内容が濃いものとなりました。お互いのライフスタイルは全くといっていいほど異なりますが、そこはほとんど気にしていません。恐らく互いの違うところに対しての嫉妬がなかったから、こうして長く付き合いができたのだと思います。
以前読んだ書籍に「親友が3人いればそれだけで充分」ということが書かれていました。このフレーズは私の心に刻まれており、時折思い出して考えることがあります。そしてこの言葉を思い出す時、頭に浮かぶのは先日会った女友達のことです。その時大切な存在の人が少なくても一人はいることにどこか心強さと幸福感を感じます。良き関係であり続け、おばあちゃんになってもお茶を飲みながら、昔話が出来る日がきたら最高だと思います。

小説で計る自分の恋愛観

今から遡ること数十年前の中学生だった頃、ティーンエイジ向けの恋愛小説をよく読んでいました。10代の女子達の間で最も人気があったのは看護師の女性と患者である男性の悲しい恋を描いた物語でした。切なくて苦しいストーリーに涙を流しながらも一途に男性を思うヒロイン憧れを抱いたものです。あれから時を経た今、純粋無垢だった中学時代がとても懐かしく思えます。この長い歳月の間、人を好きになりそれなりに経験を踏んできました。そのせいか情熱的というよりも穏やかに愛を育みたいという思いが強くなったものです。こうした気持ちもあり手に取る恋愛小説も何気ない生活を供に生きる男女を描いた作品が増えてきました。とはいえ日々の生活は毎日ゆっくりと変わってゆくものです。人に心がある限り永遠は存在しないと言えます。これは悲しいことかもしれませんが、身に起こることを受け止めて少しずつ前に進んでゆくことが、成長させるのだと感じています。
結婚という形式に囚われず供に暮らしいつの間にかお互い無くてならない存在になったことを話してくれた友達がいます。彼女が言うには「今別れてしまったら今のような関係を築ける男性に出会わないかもしれない」ということです。こうした話を聞いていると生き方はそれぞれ異なりますが、苦楽を味わってきたからこそ優しく強い絆が生まれ、いつしかお互いの思いやりに結び付いてゆくと感じます。こうした関係はまるで大人恋愛小説のようでとても素敵だと思いました。

失敗談を明るくポジティブに書いた本から学ぶこと

自らの経験を綴ったノンフィクションの手記にはリアリティがあり、どこか親近感を覚えるものです。それは著者が考えていることや経験したことがどこか自分の人生観にも通ずるところがあるからかもしれません。
今から5年位前にアメリカ人女性が書いたノンフィクション作品を読みました。著者はニューヨークに住みオフィスワークをしていたごくごく普通のどこにでもいる女性でした。そんな彼女は兼ねてから住みたかったニューヨークの街での暮らしを謳歌するためにとにかく散財します。最初は会社に行くための靴を買うところから始まり、おしゃれに美容、グルメ、友人との付き合いなどおしゃれや楽しい事に思う存分お金を注ぎ込んでゆきます。しかしながら月々の給与は限られており、上限はあるものです。それに気づいた時には既に遅く、毎月の給与は全てカードの支払いで終わってしまい、自分でもどのくらいローンがあるのか分からない状態へと陥るのです。しかも悪いことは続くとばかりに仕事も上手くゆかず無職になってしまい、著者の人生はニューヨークでの華やかな生活とは裏腹にとても苦しいものになってゆきます。でもこの作品の凄いところは、読者を暗い気持ちにはさせない明るさとバイタリティーがあるところです。実に爽快にあけっぴろげに自らのお金の失敗談を書いているところが、この書籍の最大の魅力と感じます。そしてこれはアメリカだけの話ではなく、日本で暮らす女性にも起こり得ることだと感じます。でも人には身の丈があり使えるお金の額は決まっています。お金とよい関係でいるためにも、実体験を基に書かれたこの本はとても勉強になると思いました。

朝と夜で集中力が違う?

最近知ったのですが、朝と夜で集中力が違うそうですね。一日の中で最も頭が冴えているのは朝です。起きてすぐは真っ白な状態なので、この時に勉強や読書を行うと内容がスッと頭に入ってきます。だから暗記系の勉強をする時は、早い時間帯にやるといいといわれています。逆に数学など頭を使うものは、避けた方がいいかもしれません。まだ脳が活性化していないので、そんな状態で数学をしても、なかなか問題を解くことができませんし、覚えることも難しいです。もう一度、同じところをやり直さないといけないから、効率がいいとはお世辞にもいえないですよね。もし、早い時間帯に数学をするなら、数時間経ってからにしましょう。
でも、人によっては朝よりも夜の方が集中できる場合もあります。午前中はたしかに物事を覚えやすいですが、リラックスしながら作業ができるのは夜です。また、学校や仕事で疲れが溜まっていたり、面白いテレビ番組などもやっているのでなにかと誘惑も多いですが、すぐに睡眠に入れるのでとやったことを覚えやすいというメリットもあります。もちろん、睡魔が邪魔して作業が捗らないという場合もあるけどね。まぁ、どっちにもメリット・デメリットがあるので、自分に向いている方を選んでください。ちなみに私は起床後でも寝る前でも本を読んでいます。

上司おすすめの小説を読んでみた

今まであまり話をしたことがなかった上司と一緒に仕事をすることになりました。最初は気まずくて、お互いあんまり喋りませんでしたが、読書という共通の趣味があることを気づいてからは、こちらから話しかけるようになって、少しずつ仲良くなっていきました。今はかなり仲が良くて、小説の貸し借りをしています。そして、この前その上司からおすすめの小説を借りました。私が普段読まないようなジャンルの作品だったので、ちょっと抵抗はありましたが、すごく勧めてきたので断ることもできず、試しに挑戦してみることに。すると想像よりもずっと面白かったです。こういったジャンルもありかも!って気づかせてくれたので、上司に感謝!どうして今まで読まなかったんだろう?って不思議に思っています。読まず嫌いってやつですかね。
私もお礼におすすめの作品を紹介したところ、かなり喜んでくれました。予想以上に絶賛してもらえたので、紹介したかいがありました。自分が好きな小説を他の人も面白いと言ってくれるのは本当に気持ちいいですね。これからもその人とはいい関係を築いていけそうです!これも小説さまさま!読書という共通点がなかったら、ここまで仲良くなれなかったと思います。